ケンタウルス座に小惑星
 1999.03.04
 画面中央の青いカーブがケンタウルス座を通過中の18.7等級の小惑星。大きさは約2kmと推定される。
 ハッブル宇宙望遠鏡の広視野惑星カメラ2で撮影した2万8千枚の画像を調査する事で,約100個の小惑星を発見した。これらの小惑星は地上ベースで発見できる小惑星より暗いもので,小惑星の地球衝突の可能性を探る上で貴重なデータとなるだろうと期待されている。
 元来,ハッブル宇宙望遠鏡は小惑星捜査に使われる事はない。今回彼らが用いた画像は,クエーサーや遠距離の銀河,超新星爆発など他の目的で撮影されたものである。これらの撮影中に偶然に小惑星が横切った場合,その軌跡を残す。(惑星広角カメラの写野角は約2.7分だ。)これらを丹念に見つけていく。ハッブル宇宙望遠鏡の撮影対象は全天に散らばっているが,予想したとおりに小惑星は黄道面に沿って発見される確率が高かったという。
 彼らは最初から小惑星を捜していたわけではなく,元々は新規に据え付けられた広視野惑星カメラ2が,遠くの銀河を鮮明に写し出す性能が発揮されているかをチェックしていたのだが,その作業中にスタペルフェルトの妻(彼女も天文学者)が偶然にも小惑星を発見した。
 また昨年ルイス・フランク博士が,ポーラー衛星のデータを元に地球には1分間に数ダースの小さな彗星が降り注いでいると発表したのを覚えているだろうか。エバンスとスタペルフェルトの両氏は,もしこの説が正しいのならば,ハッブル宇宙望遠鏡の画像の中に数千以上の彗星の軌跡がなければならないが,その様なものは発見できなかった,としている。
Hubble